2020年7月21日火曜日

中古資産の耐用年数と資本的支出


中古資産を購入した場合には、見積もった耐用年数によることとなっていますが、


見積もりが困難な場合には、簡便法による耐用年数が認められています。


この中古資産を使っていて、必要に応じ資本的支出をすることとなった場合には、


この資本的支出を資産計上しなければならないわけですが、この場合の耐用年数は


どうなるのでしょうか。


元の中古資産の耐用年数で新たに取得したものとして、資産計上することとなります。


元の中古資産の耐用年数が簡便法により計算された耐用年数が資本的支出の耐用年数に


なるってことですね。これは結構有利です。


ただし、建物付属設備に該当するものは、それぞれの耐用年数になるので、要注意です。


さらに、その中古資産が建物で、これが賃貸されている場合に、賃借人が内部造作を


行った時には、その内部造作の耐用年数というのは、どうなるのでしょうか。


この場合でも、元の建物の耐用年数等は勘案されるようですね。


その内部造作を1つの資産として計上することになりますが、耐用年数はそれぞれの


工事を合理的に見積もった耐用年数で総合的に判断するとのことです。


この場合も建物付属設備は個別に資産計上し、それぞれの耐用年数を適用する様ですね。


他人の建物に対する造作は耐用年数を短くできる有利な取り扱いになっているんですね。



[平成31年4月1日現在法令等]
法人が建物を賃借し、その建物に造作を行った場合には、自己が所有している建物に対して行った資本的支出とは異なり、その内部造作を一つの資産として耐用年数を見積もった年数により償却します。この場合の耐用年数は、その造作をした建物の耐用年数、その造作の種類、用途、使用材質等を勘案して合理的に見積もることとされています。
 ただし、その建物について賃借期間の定めがあり、その賃借期間の更新ができないもので、かつ、有益費の請求又は買取請求をすることができないものについては、その賃借期間を耐用年数として償却することができます。
 なお、同一の建物についてされた造作は、そのすべてをまとめて一つの資産として償却をしますから、その耐用年数は、造作の種類別に見積もるのではなく、その造作全部を一つの資産として総合して見積もることになります。
(注) 法人が賃借した建物の建物附属設備について造作を行った場合には、その造作については、その建物附属設備の耐用年数により償却します。



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