2017年5月24日水曜日
配偶者に対する相続税額の軽減
相続税は、配偶者に対する相続税額の軽減の適用があるので、
配偶者については、1億6,000万円まで非課税などと言われたりしますよね。
規定上は、非課税ではなく、相当額の税額控除を受けられるというものですね。
しかも、算出相続税額の計算と配偶者に対する相続税額の軽減に係る税額控除額の
計算方法が微妙に違う関係で、配偶者の納税額が発生することがあります。
先輩職員によると
なんで配偶者は1億6,000万円まで非課税っていうのに、納税が発生するの?
っておっしゃるお客さまもいらっしゃるとのこと。
結構困りますよね。
算出相続税がの計算で使用する按分割合と配偶者の軽減で使用する按分割合が
ことなることからこのようなことが発生してしまうんですね。
例)
相続財産1億円を以下の用に相続した場合
配偶者 43,650千円
子A 32,425千円
子B 23,925千円
課税価格の合計額 1億円
基礎控除額 30,000千円+6,000千円×3人= 48,000千円
相続税の総額
① 52,000千円 × 1/2 × 15% - 500千円 = 12,500千円
② 52,000千円 × 1/4 × 15% - 500千円 = 1,450千円
③ ① + ② × 2 = 15,400千円
各相続人の相続税額を計算する際の按分割合
配偶者 43,650千円/100,000千円 = 0.44
子A 32,425千円/100,000千円 = 0.32
子B 23,925千円/100,000千円 = 0.24
合計 1
配偶者に係る相続税額 15,400千円 × 0.44 = 6,776千円
配偶者に対する相続税額の軽減
(1)6,776千円
(2)① 100,000千円 × 1/2 = 50,000千円 < 1億6,000万円 ∴ 1億6,000万円
② 43,650千円
③ ① > ② ∴ 43,650千円
④ 15,400千円 × ③/100,000千円 = 6,722,100円
(3)(1)>(2)∴ 6,722,100円
結果、配偶者に係る算出相続税額は、6,776,000 - 6,722,100 = 53,900円
となり、税額が発生してしまうこととなります。
原因は、各相続人の相続税額を計算する際の按分割合の計算上、
小数点第2位未満の部分を端数処理して調整するのに対し、
配偶者に対する相続税額の軽減では、(2)④での割合「③/100,000千円」のように
端数調整をしないことにより、按分割合に誤差が発生し、その差額が負の場合は、
算出相続税額は、ゼロ円になりますが、正の場合は、税額が発生してしまいます。
使用する割合を統一すればいいのにね。
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