1.租税特別措置法の特則
(1)措置法70条の非課税に係るもの
①義務的修正申告
イ.提出義務者
措置法70条の非課税の規定の適用を受けて期限内申告書を提出した者
(相続人及び包括受遺者を含む。)で、③の事由が生じたもの
ロ.提出期限
贈与があった日又は受入れの日から2年を経過した日の翌日から4月を経過する日
ハ.とるべき手続及び納付
修正申告書を提出し、かつ、その期限内にその修正申告書により納付すべき税額
を納付しなければならない。
②義務的期限後申告書
イ.提出義務者
措置法70条の非課税の規定の適用を受けた者で③の事由が生じたことに伴い
その贈与をした財産の価額を相続税の課税価格に算入すべきこととなったことによ
り、期限内申告書を提出すべき要件に該当することとなったもの
ロ.提出期限
贈与があった日又は受入れの日から2年を経過した日の翌日から4月を経過する日
ハ.とるべき手続及び納付
期限後申告書を提出し、かつ、その期限内にその期限後申告書の提出により納付
すべき税額を納付しなければならない。
③事由(非課税の取り消し)
イ.特定の公益社団法人等又は認定特定非営利活動法人でその贈与を受けたもの
が、その贈与があった日から2年を経過した日までに特定の公益社団法人等又は
認定特定非営利活動法人に該当しないこととなったこと
ロ.特定の公益社団法人又は認定特定非営利活動法人でその贈与を受けたのが、
その贈与により取得した財産を同日においてなおその公益を目的とする事業の用
に供していないこと
ハ.特定の特定公益信託でその金銭を受け入れたものが、その受入れの日から
2年を経過した日までに特定の特定公益信託に該当しないこととなったこと
④期限内申告書とみなす場合(延滞税なし)
①の修正申告書、②の期限後申告書に対する国税通則法の適用については、
これらの修正申告書及び期限後申告書を期限内申告書とみなす。
⑤未提出の場合の更正又は決定
①又は②の規定により申告書を提出すべき者がこれらの申告書を提出しなった場合、
税務署長は、更正又は決定を行う。
(2)住宅取得等資金の非課税に係るもの
①義務的修正申告書
イ.提出義務者
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の規定の適用を受けた
特定受贈者で②の事由に該当するもの
ロ.提出期限
②の事由に該当することとなった日から2月以内
ハ.とるべき手続及び納付
修正申告書を提出し、かつ、その期限内にその修正申告書の提出により
納付すべき税額を納付しなければならない。
②事由(非課税取り消し)
住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年の翌年3月15日後において、
遅滞なくその特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれることにより
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の規定の適用を受けている
場合において、その新築等をした家屋を同年12月31日までにその特定受贈者の居住の
用に供していなかったとき
③期限内申告書とみなす場合(延滞税なし)
①の修正申告書に対する国税通則法の適用については、
その修正申告書を期限内申告書とみなす。
④未提出の場合の更正
①に該当することとなった場合において、①の規定による修正申告書の提出がないとき
は、納税地の所轄税務署長は、更正を行う。
(3)住宅取得等資金の特例に係るもの((2)の非課税と同じ)
①義務的修正申告書
イ.提出義務者
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例の適用を受けた
特定受益者で、②の事由に該当するもの
ロ.提出期限
②の事由に該当することとなった日から2月以内
ハ.とるべき手続及び納付
修正申告書を提出し、かつ、その期間内にその修正申告書の提出により
納付すべき税額を納付しなければならない。
②事由
住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年3月15日後において、
遅滞なくその特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれることにより
住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例の適用を受けていた
場合において、その新築等をした家屋を同年12月31日までに
その特定受贈者の居住の用に供していなかったとき
③期限内申告書とみなす場合(延滞税なし)
①の修正申告書に対する国税通則法の適用については、
その修正申告書を期限内申告書とみなす。
④未提出の場合の更正
①に該当することとなった場合において、①の規定による修正申告書の提出がないとき
は、納税地の所轄税務署長は、更正を行う。
(4)措置法の更正の請求
①措置法に規定する更正の請求
イ.請求をなし得る者
相続税について申告書を提出した者又は決定を受けた者で
②のいずれかに該当する事由により
課税価格及び相続税額が課題となったもの
ロ.請求期間
②のそれぞれに規定する事由が生じたことを知った日の翌日から4月以内
ハ.請求先
納税著の所轄税務署長に対し、その課税価格及び相続税額につき
更正の請求をすることができる。
②事由
イ.小規模宅地等の特例に係るもの
未分割財産が申告期限から3年以内に分割され、小規模宅地等の特例の適用が
可能となったことにより、相続税額が異なることとなったこと
ロ.特定計画山林の特例に係るもの
未分割財産が申告期限から3年以内に分割され、特定計画山林の特例の適用が
可能となったことにより、相続税額が異なることとなったこと
2.延納
(1)相続税の延納
①適用要件等
イ.適用要件
税務署長は、、次の要件に該当する場合において、その納付を困難とする金額
として一定の額を限度として、年賦延納の許可をすることができる。
(イ)納付の規定により納付すべき相続税額が10万円を超えていること
(ロ)納税義務者について納期限までに、又は納付すべき日に金銭で納付すること
を困難とする事由があること
(ハ)納税義務者の申請があること
ロ.担保の徴収
税務署長は、相続税の延納の許可をする場合には、延納税額に相当する担保を
徴さなければならない。
ただし、延納税額が50万円未満で、かつ、延納期間が3年以下である場合は、
この限りでない。
②手続
イ.申請手続
延納の許可を申請しようとする者は、
納期限までに、又は納付すべき日に、
次に掲げる事項を記載した申請書に
担保提供関係書類を添付し、
これを納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
(イ)納期限までに、又は納付すべき日に金銭で納付することを困難とする金額
及びその困難とする理由
(ロ)延納を求めようとする税額及び期間
(ハ)分納税額及びその納期限
(ニ)その他一定の事項
ロ.許可又は却下
(イ)原則
税務署長は、イ.の申請書の提出があった場合においては、
申請者及び申請に係る事項について延納の要件に該当するか否かの調査を
行い、その調査に基づき、
申請期限の翌日から起算して3月(その調査に3月を超える期間を要すると
認めるときは6月)以内に
その申請に係る税額の全部又は一部について
その申請に係る条件もしくはこれを変更した条件により延納の許可をし、
又はその申請の却下をする。
(ロ)担保の変更を求める場合
税務署長が、延納の許可をする場合において、
申請者の提供しようとする担保が適当でないと認めるときは、
変更を求めることができる。
なお、税務署長は、担保の変更を求めた場合において、その申請者が
通知を受けた日の翌日から起算して20日以内にその変更に係る
担保提供関係書類を納税地の所轄税務署長に提出しなかったときは、
その申請の却下をすることができる。
ハ.延納の条件の変更等
延納の許可を受けた者は、
その後の資力の状況の変化等により延納の条件について
変更を求めようとする場合においては、
その変更を求めようとする条件その他一定の事項を記載した申請書を
その延納の許可をした税務署長に提出することができる。
③延納の取消
税務署長は、延納の許可を受けた者が次に掲げる事由に該当したときは、
その許可を取り消すことができる。
この場合のおいては、(ハ)及び(ロ)に該当したときを除き、
あらかじめその者の弁明を聴かなければならない。
(イ)延納税額の滞納その他延納の条件に違反したとき
(ロ)担保の変更命令に応じなかったとき
(ハ)担保物につき強制感化手続が開始されたとき
(ニ)その延納の許可を受けた者が死亡し、その相続人が限定承認をしたとき
(2)延納期間の判定
①延納期間
イ.不動産等の割合が5/10未満である場合
原則 : 5年以内
(注)延納税額が50万円未満の場合 延納税額/10万円(1年未満切上)を限度
ロ.不動産等の割合が5/10以上3/4未満である場合
不動産等 : 15年以内
動産等 : 10年以内
(注)延納税額が150万円未満の場合 延納税額/10万円(1年未満切上)を限度
ハ.不動産等の割合が3/4以上である場合
不動産等 : 20年以内
動産等 : 10年以内
(注)延納税額が200万円未満の場合 延納税額/10万円(1年未満切上)を限度
②不動産等の割合
不動産等の価額(千円未満切捨)
不動産等の割合 = ---------------------------------------------(少数3位未満切上)
課税相続財産の価額(千円未満切捨)
イ.不動産等の価額
不動産(棚卸資産である不動産を含む。)
不動産の上に存する権利
立木
事業用の減価償却資産
特定同族会社の株式又は出資
ロ.課税相続財産の価額
相続又は遺贈により取得した財産で、相続税額の計算の基礎となったものの価額
の合計額
ハ.不動産等の割合の計算に係る端数処理
(イ)区分の判定 ・・・ 端数処理なし
(ロ)不動産等の割合 ・・・ 少数3位未満切上
ニ.相続又は遺贈により取得した財産に含める贈与財産
相続開始年分の生前贈与加算、相続時精算課税適用財産の
うちの不動産等の価額は、不動産等の割合の計算上、分母、分子に含める。
不動産等の価額の合計額 + 相続開始年分の受贈財産で不動産等の価額
-----------------------------------------------------------------------------------------
積極財産の価額の合計額 + 相続開始年分の受贈財産で不動産等の価額
③延納申請税額
(3)延納年割額の計算
①不動産等の割合が5/10未満
延納税額 / 延納期間の年数(最長5年)
②不動産等の割合が5/10以上(3/4以上も同様)
イ.不動産等
不動産等に係る延納税額 / 延納期間の年数(最長15年又は20年)
ロ.動産等
動産等に係る延納税額 / 延納期間の年数(最長10年)
(4)計画伐採に係る相続税の延納等の特例
①延納期間の特例
イ.適用要件
ロ.森林計画立木部分の税額に係る延納期間
②計算パターン
(1)納付すべき相続税額-物納申請税額-納税猶予額
(2)森林
①(1)×森林計画立木の割合(※)
(※)森林計画立木の割合
森林計画立木の価額(千円未満切捨)/課税相続財産の価額(千円未満切捨)
②延納申請税額
③①、②のいずれか少ない金額(百円未満切上)
(3)不動産等
①(1)×不動産等の割合(※)
(※)不動産等の割合
不動産等の割合(千円未満切捨)/課税相続財産の価額(千円未満切捨)
②延納申請税額
③①、②のいずれか少ない金額(百円未満切上)
(4)動産等
延納申請税額 - (2) - (3)
2010年12月5日日曜日
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