1.物納
(1)適用要件等
①適用要件
税務署長は、納付を困難とする金額として一定の額を限度として、物納の許可が可能
イ.延納によっても金銭で納付することが困難とする事由があること
ロ.申請があること
②超過物納の許可
税務署長は、やむえない事情があるときは、納税額を超える物納財産の物納許可可能
(注)差額は、金銭をもって還付
③物納に充てることができる財産(物納に充てることができる順位)
課税価格計算の基礎となった財産(相続時精算課税適用財産を除く。)で
法施行地にあるもの
イ.国債及び地方債(1)
ロ.不動産及び船舶(1)
ハ.社債及び株式並びに受益証券(2)
ニ.動産(3)
(注)特定登録美術品は、動産だが、順位に関係なく物納に充てることができる。
④物納劣後財産(物納可能)
イ.地上権等が設定されている財産
ロ.法令の規定に違反して建築された建物及びその敷地
⑤管理処分不適格財産(物納不可)
イ.担保権が設定されている不動産等
ロ.権利の帰属につき争いがある株式
(2)手続
①申請手続
物納の許可を申請しようとする者は、
納期限までに、又は納付すべき日に、
次の事項を記載した申請書に
物納手続関係書類(結構多く、期限内にそろえることが困難なケースが多い)
を添付し、これを納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
イ.金銭で納付することを困難とする金額及びその困難とする理由
ロ.物納を求めようとする税額
ハ.物納に充てようとする財産の種類及び価額
ニ.その他一定の事項
②特定登録美術品の特例
特定美術品に関する事項を記載した書類を添付
③許可又は却下
イ.原則 税務署長は、申請期限の翌日から3月以内に許可又は却下する。
(物納財産多数の場合6月、積雪等の場合9月の例外あり)
ロ.条件付許可(土壌汚染等の場合)
税務署長は、必要に応じ許可に条件を付すことができる。
この場合、その許可に付した条件を記載した書面により、申請者に通知する。
ハ.許可の取り消し(条件付許可)
(イ)条件の履行を求める場合
税務署長は、条件付許可をした場合に、その一定の事項の履行を求めるとき
は、その条件に従って期限を定めて、申請者に通知する。
(ロ)物納の許可の取り消し
税務署長は、一定の事項の履行が無い場合には、許可の取り消しが可能
ただし、ロ.の通知の翌日から5年を経過する日までに(イ)の通知をした場合
に限る。
(3)物納財産の収納価額等
①収納価額
課税価格計算の基礎となったその財産の価額による。
ただし、税務署長は、収納の時までにその財産の状況に著しい変化を生じたときは、
収納の時の現況によりその財産の収納価額を定めることができる。
②納付時期
物納の許可を受けた税額に相当する相続税は、
物納財産の引き渡し、所有権移転の登記その他法令により第三者に対抗することが
できる要件を充足した時において、納付があったものとする。
③過誤納額の還付
物納財産による過誤納額があった場合、その物納に充てた財産は、
納税義務者の申請により、これをその過誤納額の還付に充てることができる。
(通常は、金銭の還付になるが、申請し可能であれば現物の一部を返還してもらえる)
④過誤納額の還付が認められない場合
・ 物納した財産が換価されていたとき
・ 物納した財産が公用又は公共の用に供され、若しくは供されることが見込まれるとき
・ 過誤納額が物納した財産の収納価額の1/2に満たないとき
(4)物納等に係る利子税
物納の許可を受けた者は、その物納に係る相続税額の納期限又は納付すべき日の翌日
から納付があったものとされた日までの期間に応じ、一定の割合を乗じて計算した金額
に相当する利子税を納付しなければならない。
ただし、一定の期間に対応する部分の利子税は納付することを要しない。
(注)一定の期間とは、いわゆる審査期間(申請してから許可が出るまでの期間)
(5)物納申請の全部又は一部の却下に係る延納
税務署長は、物納の却下の日の翌日から起算して20日以内にされた申請により、
その相続税額のうち金銭で一時に納付することを困難とする金額として一定の額を限度
として、延納の許可をすることができる。
(6)物納申請の却下に係る再申請
税務署長は、物納の却下の日の翌日から起算して20日以内にされた申請により、
納付を困難とする金額として一定の額を限度として、物納の許可をすることができる。
2.物納の撤回
(1)物納の撤回
①適用要件
税務署長は、物納の許可をした不動産のうちに賃借権その他の不動産を使用する
権利の目的となっている不動産がある場合において、
その物納の許可を受けた者が、その後物納に係る相続税を、金銭で一時に納付し、
又は(2)の延納の許可を受けて納付するときは、
その不動産については、
収納後においても、その物納の許可を受けた日の翌日から起算して1年以内にされた
その者の申請により、
その物納の撤回の承認をすることができる。
ただし、その不動産が換価されていたとき、又は公用若しくは公共の用に供されており
若しくは供されることが確実であると見込まれるときは、この限りでない。
②申請手続
物納の撤回を申請しようとする者は、一定の申請書を納税地の所轄税務署長に
提出しなければならない。
③承認又は却下
税務署長は、②の申請書の提出があった場合においては、
申請者及び申請に係る事項について物納の撤回の要件に該当するか否かの
調査を行い、その調査に基づき、その申請書の提出があった日の翌日から起算して
3月以内にその申請の承認をし、又はその申請の却下をする。
(2)物納の撤回に係る延納
①適用要件
税務署長は、物納の許可を受けた者が物納の撤回の承認を受けようとする場合において
その物納の許可を受けた者の申請により、
その撤回に係る相続税額につき、その相続税額のうち金銭で一時に納付することを困難
とする金額として一定の額を限度として、
延納の許可をすることができる。
②申請手続
①の延納の許可を申請しようとする者は、(1)②の申請書に、担保提供関係書類を添付し
これを納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
③許可又は却下
税務署長は、②の申請書の提出があった場合においては、
その申請の基因となる物納の撤回の申請の却下をする場合を除き、
申請者及び申請に係る事項について物納の撤回及び物納の撤回に係る延納の要件
に該当するか否かの調査を行い、その調査に基づき、
申請期限の翌日から起算して3月(その調査に3月を超える期間を要すると認めるときは
6月)以内に
その申請書に係る税額の全部又は一部について
その申請に係る条件若しくはこれを変更した条件により物納の撤回に係る延納の許可をし
又はその申請の却下をする。
(3)物納の撤回に係る利子税
①原則 納期限の翌日から納付した日までの期間が利子税の計算期間に算入される。
②特例 物納財産が収納されている期間中は、利子税の計算期間に算入されない。
3.特定の延納税額に係る物納
(1)適用要件等
①適用要件
税務署長は、次の要件に該当する場合においては、特定物納対象税額のうち
その納付を困難とする金額として一定の額を限度として物納の許可をすることができる。
イ.延納の許可を受けた者が、特定物納対象税額を変更された条件による
延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があること。
ロ.納税義務者の申請があること。
②申請手続
①の物納(「特定物納」という)の許可を受けようとする者は、
申告期限の翌日から起算して10年を経過する日までに、
次に掲げる事項を記載した申請書に物納手続関係書類を添付し、
これを納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
イ.特定物納対象税額
ロ.金銭で納付することを困難とする金額及びその困難とする事由
ハ.特定物納の許可を求めようとする税額
ニ.その他一定の事項
③許可又は却下
税務署長は、②の申請書の提出があった場合においては、
申請者及び申請に係る事項について特定物納の要件に該当するか否かの調査を行い、
その調査に基づき、その提出があった日の翌日から起算して3月(物納財産が多数
であることによりその調査に3月を超える期間を要すると認めるときは6月、積雪等
によりその調査に6月を超える期間を要すると認めるときは9月)以内に、
その申請に係る特定物納の許可を求めようとする税額の全部又は一部について
その特定物納に係る財産ごとにその特定物納の許可をし又はその申請の却下をする。
④収納価額
特定物納に係る財産の収納価額は、その特定物納に係る申請の時の価額による。
ただし、税務署長は、収納の時までにその財産の状況に著しい変化を生じたときは、
収納の時の現況によりその財産の収納価額を定めることができる。
2010年12月8日水曜日
お腹の調子が悪い
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