2013年1月31日木曜日

所得税理論 : 必要経費に算入される資産損失

1 資産の種類と損失の取扱い
(1) 棚卸資産
 棚卸資産について生じた損失の金額は、売上原価の計算を通じてその損失の生じた日の属する年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
(2) 事業用固定資産等
 居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業の用に供される固定資産及び繰延資産について取りこわし、除却、滅失その他の事由により生じた損失の金額(保険金等により補てんされる部分の金額及び資産の譲渡により又はこれに関連して生じたものを除く。)は、その者のその損失の生じた日の属する年分のこれらの所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
(3) 事業上の債権
 居住者の営む不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業の遂行上生じた売掛金、貸付金、前渡金その他これらに準ずる債権の貸倒れその他一定の事由により生じた損失の金額は、その者のその損失の生じた日の属する年分のこれらの所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
(4) 山林
 災害又は盗難若しくは横領により居住者の有する山林について生じた損失の金額(保険金等により補てんされる部分の金額を除く。)は、その者のその損失の生じた日の属する年分の事業所得の金額又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
(5) 業務用資産等
 居住者の不動産所得又は雑所得を生ずべき業務の用に供され又はこれらの所得の基因となる資産(山林及び生活に通常必要でない資産を除く。)の損失の金額(保険金等により補てんされる部分の金額、資産の譲渡により又はこれに関連して生じたもの及び上記(2)若しくは(3)又は雑損控除に規定するものを除く。)は、それぞれその者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額又は雑所得の金額(この規定適用前の金額)を限度として、その年分のこれらの所得の金額の計算上、必要経費に算入する。

2 損失の金額の計算
(1) 固定資産
 損失発生日にその資産の譲渡があったものとみなした場合のその資産の取得費相当額を基礎として計算する。
(2) 山林
 損失発生日までに支出したその山林の植林費、取得に要した費用、育成費用の額の合計額を基礎として計算する。
(3) 繰延資産
 損失発生日におけるその繰延資産の未償却残額を基礎として計算する。

3 事業廃止後に生じた場合
(1) 内容
 居住者が不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき事業を廃止した後において、その事業に係る損失の金額が生じた場合には、その金額は、一定の順序及び方法により、その廃止した日の属する年分(廃止年にこれらの所得に係る総収入金額がなかった場合には、総収入金額があった最近の年分)又はその前年分のこれらの所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
(2) 更正の請求
 損失が申告又は決定があった後に生じた場合には、その損失発生日の翌日から2月以内に税務署長に対し更正の請求をすることにより適用する。

4 災害の意義
 災害とは、震災その他の自然現象の異変による災害及び火災その他の人為による異常な災害並びに害虫その他の生物による異常な災害をいう。

お腹の調子が悪い

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