2010年11月19日金曜日

法人税メモ(返品調整引当金、外貨建取引)

1.返品調整引当金
 (1)適用要件
    ①対象法人 ・・・ 出版業、医薬品業 等
    ②必要条件 ・・・ 対象事業にかかる棚卸資産の大部分につき、買戻し特約の締結
                (売主:無条件買戻し、買主:無条件購入)
    ③経理要件 ・・・ 損金経理により返品調整引当金勘定に繰り入れること

 (2)繰入限度額
    ①有利選択
      イ.売掛金基準
      ロ.売上高基準
      ハ.イ、ロのいずれか多い金額

    ②売掛金基準
      イ.期末売掛金等
         期末売掛金、受取手形(売掛金の決済)、割引・裏書手形

      ロ.返品率
             当期及び前期の返品高
         ------------------------------------------(端数処理なし)
          当期及び前期の売上高(=総額)

      ハ.売買利益率
              分母 - ( 売上原価 + 販売手数料 )
         ----------------------------------------------------------------(端数処理なし)
          当期の売上高 - 当期の返品高 - 当期の割戻高
          (分母=純額)

      ニ.返品調整引当金繰入限度額
         イ × ロ × ハ

    ③売上高基準
      イ.期末以前2月間の売上高
                                           期末以前2月間の売上高
         期末以前2月間の売上高 - 当期の売上割戻高 × ------------------------------
                                                当期の総売上高
      ロ.返品率
         ②ロと同様

      ハ.売買利益率
         ②ハと同様

      ニ.返品調整引当金繰入限度額
         イ × ロ × ハ

 (3)別表4の調整
    ① 前期繰入超過額 ⇒ 返品調整引当金繰入超過認容(減算)
    ② 損金経理額 - 繰入限度額 > 0 ⇒ 返品調整引当金繰入超過額(加算)


2.外貨建取引等
 (1)外貨建取引の換算
    ①外貨建取引
      外貨建で支払いが行われる以下の取引
       イ.資産の販売及び購入
       ロ.役務の提供
       ハ.金銭の貸付及び借入
       ニ.剰余金の配当
       ホ.その他の取引

    ②外国為替相場
      イ.原則 : TTM(仲値)
      ロ.例外
         収益・資産 ⇒ TTB(電信買相場)
         費用・負債 ⇒ TTS(電信売相場)
      (注)該当日に為替相場が無い場合 ⇒ 同日の最も近い日の相場

      ⇒ 受験上は、指示が無ければ、有利な例外で処理する

    ③認識時点
      イ.取引時
         取引日の為替相場により換算

      ロ.期末時
         届け出換算方法 又は 法定換算方法により換算

         【種類及び換算方法】
          外国通貨                             期末換算法
          外貨預金・債権債務
            短期(翌期決済分)        発生時換算法              期末換算法(法定)
            長期(翌々期以後決済分)   発生時換算法(法定)  期末換算法
          外貨建有価証券
            売買目的                           期末換算法
            償還有価証券         発生時換算法(法定)  期末換算法
            その他              発生時換算法
          (※)換算方法
              発生時換算法 : 取引日の為替相場により換算する方法(期末換算不要)
              期末換算法   : 期末の為替相場により換算する方法(期末換算必要)

          (注)前渡金、前受金は、外貨建債権債務に含まれない。

      ハ.決済時
         換算不要

    ④所得計算上の取り扱い
      イ.為替差益 : 益金算入 ⇒ 翌期に損金算入
      ロ.為替差損 : 損金算入 ⇒ 翌期に益金算入

    ⑤別表4の調整
      イ.資産の場合
         期末換算額 - 会社計上額 > 0 ⇒ 資産計上漏れ(加算)
                            < 0 ⇒ 資産過大計上(減算)
      ロ.負債の場合
         会社計上額 - 期末換算額 > 0 ⇒ 負債過大計上(加算)
                            < 0 ⇒ 負債計上漏れ(減算)

    ⑥貸倒引当金との関連
       外貨建資産、負債に為替差損益が生じた場合には、為替差損益計上後(為替換算後)
      の金額(税務上の金額)で貸倒引当金繰入限度額の計算を行う。

 (2)為替予約
    ①為替予約をおこなった場合の換算
      イ.資産、負債の換算
         確定額(予約レートによる換算額)を円換算額とする。
         ※その旨を帳簿価額に記載したときに限る。

      ロ.収益、費用の換算
         原則 : 取引日の為替相場により換算する。
         特例 : 確定額をもって円換算額とできる。
               ※事前予約の場合に限る

      ハ.外貨建資産等の期末換算
         確定額(予約レートによる換算額)を円換算額とする。
         ※その旨を帳簿価額に記載したときに限る。

    ②予約差額の配分
      イ.概要
         予約事業年度から決済事業年度までに配分する。

      ロ.配分額
         (イ)事後予約
            ● 直々差額 ⇒ 予約事業年度の損益
               取引日レートによる円換算額 - 予約日レートによる円換算額

            ● 直先差額 ⇒ 予約事業年度から決済事業年度までの各期に配分
               予約日レート     予約レート       その事業年度の月数
                 による    -   による   ×  ------------------------------
                円換算額       円換算額       予約日~決済日の月数
           
         (ロ)事前予約
             ● 為替予約差額 ⇒ 取引事業年度から決済事業年度の各期に配分
               予約日レート     予約レート       その事業年度の月数
                 による    -   による   ×  ------------------------------
                円換算額       円換算額       取引日~決済日の月数

    ③短期外貨建資産等の特例
      為替予約差額の全額を為替予約を行った事業年度の益金の額又は損金の額に算入可
      (※)選定しようとする事業年度の確定申告期限までに所轄税務署長に要届け出

お腹の調子が悪い

  ちょっと前から腹痛で軟便が続いています。正確には覚えてませんが、1、2週間くらいかな? さほど腹痛がひどいわけではないのですが、トイレが近く、軟便が続いてしまっています。 大腸で十分に水分を吸収できていないので、こういう症状になっていると思われます。 もう少し便の感覚が長くな...